タカバングゥ村

タカバングゥはブルキナファソの首都ワガドゥグから北に約364km、ニジェールの国境から10km以内に位置する村落である。1890年代に農耕民であるソンガイ族の3家族がこの地に移り住んだのが村の始まり。この3家族それぞれが住んだ場所が、村の3つの地区として今も残っている。現在、約1300人のソンガイ族が定住し、また農耕、放牧、採取・工芸など幅広い生業を持つベラ族、遊牧民族で牧畜を行っているフルベ族も一時的にこの村で暮らしている。


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この村に来ると誰もが想像するような「アフリカ」を思わせる。砂、土で作られた家、電気・水道のない原始的な生活、高温乾燥、厳格なイスラム教徒達といったところだろうか。原始的な生活といっても裸で野蛮な暮らしを想像しがちだがそうではない。ソンガイ族は昔王族だった事から、今もモラルは高く賢い。

 

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しかし、村にも問題はある。たった3家族だったのが1300人以上の人口に増加したため、その分の食料を村で確保するのが困難となっている。村人は農耕地を拡大したため植生が減少し、その上、 連続して農耕が行われたため、土地は劣化していった。また、近年の不安定な降雨のため、十分な穀物の収穫がとれず、自給自足の生活もできなくなっている。 このことから、村の若者達は首都ワガドゥグやコートジボワール、ガーナ、ベナンなどの近隣国に出稼ぎをし、食費などの生活費を稼いでいる。

 

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日 本だと、一度都会に出ると地方に帰らなくなる傾向にあるが、タカバングゥの村人たちは違う。いくら都会で商売がうまくいっても、ちゃんと村に帰り、家族と ともに畑仕事に励んでいる。以前村のある青年に「都会でお金が儲かるなら、そこに住んだほうがいいのではないのか?」という質問をしたところ、「俺は家族や村のために都会で稼いでいるんだ。家族や村を放棄する事はできない。畑仕事もちゃんと毎年手伝わないといけない。」と言っていた。

 

緑のサヘルはこのタカバングゥ村で1996年から10年間支援を行ってきた。支援活動は最大10年までという村との取り決めのため、昨年支援を打ち切った。しかし、村との関係は断ち切ったわけではなく、今後も年に数回、追跡調査を行うことになっている。

 

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