チャド共和国
1991年6月の調査を経て8月にチャド政府と議定書を締結し、1992年1月よりバイリ地域で、1993年4月よりトゥルバ地域で活動を開始しました。 2004年11月に、事業の継続性を考慮し、団体のローカル化を図るため「緑のサヘル・チャド」を立ち上げ、事業を引き継ぎました。これ以降、日本人の長期滞在による従来の開発支援事業を打ち切り、現地団体支援事業へと転換しました。 一方で、2004年から2006年にかけて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とパートナー契約を結び、アベシェ地域においてスーダン難民支援事業を行いました。
アベシェ地域環境教育プロジェクト(2006年8月~11月)
地域の中心であるアベシェ市の28小学校の教師と生徒父兄1名ずつと教育・省庁関係者を対象に、環境教育と苗木の植栽・後管理に関する講習会を行いました。また、5つの小学校(生徒2,072、教師47)で、教師による20本の苗木植栽が行われました。このプロジェクトは国際協力機構(JICA)との協力によって実施されました。現在でも、現地の団体と連絡を取りながら、モニタリングを続けています。
アベシェ地域環境保全プロジェクト(2004年5月~2006年12月)
チャド東部の2つの州に設置されたスーダン難民キャンプとその周辺の村落において、約102,000本の苗木を生産し、11,000個の改良カマド設置を行いました。生産された苗木は、地域住民と難民によってキャンプや村落に植えられました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との提携事業が、このプロジェクトの中心となりました。
現地団体支援プロジェクト(2004年11月~)
NGOや組合、教会や学校、有志等、現地の団体による環境への取り組みを支援するもので、現在は「緑のサヘル」の元・現地スタッフ達によって組織された3つの団体、「緑のサヘル・チャド」、「チャド緑化青年組合」、「環境保全植林有志組合」に対して技術指導や資機材支援を行っています。今後徐々に、支援する団体を増やして行く予定です。
トゥルバ地域砂漠化防止プロジェクト(1993年4月~2003年12月)
首都ンジャメナの北120kmに位置するトゥルバ村を中心とする地域は、砂漠化の最前線にあります。この地域で、チャド最北端となる2育苗所の設置、71,000本の苗木生産、11村落への植林支援、2共同井戸の掘削、約400個の改良カマド配布等を実施しました。育苗と植林活動は地域の人々によって、現在も続けられています。
バイリ地域村落開発プロジェクト(1992年2月~2003年12月)
首都ンジャメナの南270kmに位置するバイリ村とその周辺地域において、米や大豆、野菜や果樹の栽培普及、穀物備蓄倉庫の建設、育苗センターの設置、約20村落への育苗所設置、315,000本の苗木生産、10植生保護区の設置、井戸の掘削、約700個の改良カマド設置、住民組織化支援等を行いました。この地域は現在、果樹の一大産地となっています。